<トークイベント>何歳からでも私らしく変われる ~ウェルビーイングな私のつくり方~
芸能界デビューとクイズ番組でのブレイク

芸能界デビューを夢見たのは、14歳のときでした。習い事でバトントワリングをしていて、舞台に立つのがすごく楽しかったんです。その後、モデルとしてスカウトされたことをきっかけに、高校を中退して福岡でのアイドル活動を経験後、上京して、21歳のときにクイズ番組などに出演するようになりました。
当時はすごく忙しくて、自分でも精一杯、一生懸命頑張っていたなと思います。でも今振り返ると、「今しかない時間を楽しむこと」も、もっと味わえたらよかったなと感じています。
出産を機に変化した人生観と熊本への移住

28歳で出産し、翌年には熊本に移住。結婚、出産を経て離婚し、「東京でこのまま子育てをする自信がない」「東京で子どもと二人で暮らす自分が想像できない」と感じていました。どうしようかと考えたとき、生まれ育った地元の熊本で子育てをしたいという思いが生まれたんです。
仕事への不安よりも、地元でのんびり暮らしたい、子育てをしたいという思いが強かったので、移住を決意。熊本に引っ越して、子育てを中心に生活を見つめ直したというのが、私にとって第二の人生のスタートだったと思います。
第二の人生は子育てを優先したい

芸能界でやり切ったとまでは言えませんが、いろいろな経験をさせてもらい、本当に忙しく過ごしてきました。そんな中で、「これ以上、自分が活躍できることはないかもしれない」と思ったこともあります。
子どもが生まれたことで心境が変わり、次のステージでは子どもを優先する人生を送ってみたいと思いました。仕事に未練がまったくなかったわけではありませんが、できる仕事を一生懸命やろうと考えていました。でも、東京から引っ越すと、仕事が全くなくなる可能性もある。少し不安はありましたが、新しくヨガの先生のライセンスを取って、もし仕事がなかったらヨガの先生になろうかなと思って、熊本に帰ってきたんです。
34歳、スザンヌさんの高校再入学のきっかけ

コロナ禍で子供が小学校に通えない期間があったのが、私が34歳、子供が小学校一年生のとき。先生から、おうちで子供に勉強の仕方を教えてほしいと言われました。私は長い間勉強から離れていたので、「勉強ってどうやって教えるの?」と戸惑いました。一生懸命教えてはいたものの、限界があるな…と感じていたんです。
ちょうどそのタイミングで、以前通っていた高校の先生が再入学を勧めてくださいました。通信制の高校で、本来は週に1、2回学校に通学する必要がありましたが、コロナ禍でオンライン授業を受けられると聞いて再入学を決意しました。背中を押してくれたのが、子どもの宿題を教えられなかったという出来事。私も一緒に勉強すれば、子どもにとっても良い影響があるかもしれないと思ったんです。休みの日に一緒に宿題に取り組むようになって親子で勉強する習慣ができたのは、よかったなと思っています。
スザンヌさんが大人になって気づいた、学びの楽しさ

10代の頃は、授業も自分から学びたいことを見つけるというより、先生が教えてくれる内容を受け身で聞いていたように思います。でも、大人になって高校に戻ってからは、「これを知りたい」と思って学ぶようになりました。自分から学ぼうとする姿勢が、10代の頃とは大きく違うと感じています。学ぶときの気持ちが違うと、授業を受ける姿勢も、知識の身につき方も変わるんですね。
数学や英語、韓国語に加えて、マーケティングなど、実生活にも役立つ内容を学べたのも楽しかったです。こうしたことを学べる今の高校生たちは、すごく恵まれているなと思いながら、私自身も学んでいました。
「学び直しの6年間」高校卒業後、そのまま大学へ進学

そして高校卒業後、そのまま大学へ入学。卒業予定の年は、子供の小学校卒業と同じ年。私がもし単位が取れなくて卒業できなかったら、子供の方が先に卒業しちゃう。だから私も4年で卒業できるように、単位を取るために必死に勉強しました。
高校の再入学から大学を卒業する間に、子供も1年生から6年生に成長。心も体も大きくなって、だんだん一緒に勉強をしてくれなくなったけれど、私がレポートで苦労しているときには励ましてくれました。反対に、子供が大変そうな時は私から声をかけることも。親子でお互いを励まし合う習慣ができたことは、勉強を続けていてよかったと思える瞬間の一つです。
親子でそれぞれの挑戦を大切にしたい

私は子供が1人なので、子育てだけに一生懸命になりすぎると、子供にとっては少し重荷になってしまうかもしれないと思うことがありました。
子供が成長すれば、家族との時間より友達や部活動が大切になってくるかもしれない。それは自然な成長だからこそ、私自身も大切にしたいものや新たに挑戦できることを見つけていたいなと思いました。これまで二人三脚で過ごしてきたからこそ、私自身が頑張る姿を見せることで、子供にも何か伝わるのではないかと思ったんです。
私が挑戦することで、家族で新しいステージに進めたんじゃないかなと思います。
37歳、大学での出会いと在学中の起業

大学に在学中、学生起業という形で起業しました。起業ゼミでは、大学生からさまざまな情報を教えてもらう一方、私も自分の経験を伝えていました。それまで私には起業なんて絶対無理だと思っていたのですが、大学生の若いパワーに触れるうちに、「起業は肩肘をはらなくてもできるのかもしれない、じゃあやってみよう!」と思うように。
起業したからには何かビジネスをしようと考えて、ずっとやりたかったアパレルの事業に取り組みました。その後、熊本の河内町にある旅館を買い取りリフォームして、「KAWACHI BASE -龍栄荘-」をオープンしました。
地域創生や、熊本の今まで知られていなかった地域をさらに盛り上げていきたいという思いではじめた旅館の経営。実際にやってみるとすごく楽しくて地域の皆さんに感謝してもらうことも増えました。今まで出会う機会がなかった方々と新たに出会えたこともうれしいです。これからも、人生をかけて取り組んでいきたいと思っています。
地元、熊本への恩返し

2026年7月の熊本地震の後、被災者の方々に利用していただけるように旅館の家族風呂を無料で開放しました。大変な状況の中、訪れた方々から感謝の言葉をいただき、逆に私たちが元気をもらいました。10年前の震災のときは何かできることがないかと思いながらできなかったので、今回できることがあったのは、私にとってすごくありがたいことでした。この10年間で自分自身も成長できたと感じますし、熊本に恩返しをしたいという思いで始めた旅館を通じて、その思いを一つ形にできたように思います。
熊本の今を知り、応援してほしい

今も大変状況にある地域はたくさんあって、熊本県内には日常を取り戻せていない方々もたくさんいます。でも、その一方で日常を取り戻すために一生懸命頑張っている方々もたくさんいます。大変な状況に目を向けつつも、前を向いて歩んでいる方々に心を寄せてもらえたらうれしいです。
熊本に遊びに来たことがない方は、ぜひ一度熊本に足を運んで、熊本の今を見て応援してほしいなと思っています。私ができることは、熊本の地震があったことを忘れず、発信し続けていくこと。これからも、その思いを大切にしていきたいです。
スザンヌさんが悩んだときの相談相手は?
母は今65歳なのですが、今年に入って新たな趣味が2つぐらいできました。山登りをしたり、月に1回、沖縄に三線合宿に行って3日間みっちり練習したりしています。今も毎日仕事していて、本当に多趣味で行動的なんです。そんな母のアドバイスを聞くと心が軽くなりますし、母の姿を見ていると「私ももうちょっと頑張れそう」と思えます。だから私は、何かあったときは母に相談しています。
スザンヌさんがこれからの人生での楽しみにしていること
子どもが成長して大人になっていくのがすごく楽しみ。あとは、いろいろな挑戦の中で自分自身が始めた旅館。地域の方々だったり、いらっしゃる皆さんだったり、みんなに愛される旅館として成長していくのを見るのもすごく楽しみだなと思います。30代にたくさんのチャレンジをしたので、これからの40代は、新しい習い事にもチャレンジしたいという気持ちはあるのですが、今は「龍栄荘」を、さらに人が集まるような場所にしたい。今までチャレンジしてきたものを形作って、完成させていくような40代にしたいですね。
選んだ道を「正解」にしていくのがスザンヌ流
毎日の生活の中で、私たちはいろいろな選択をしています。どっちが正解ということはなくて、「あっちを選んだほうがよかったかも」と思うこともあるかもしれない。そんな中で、自分で「選んだものを正解にしていく」ことが大切だと思っています。選んだ道を後悔しないように、つまづくことがあっても、「ここからどう変えていこうかな?」と前を向いて、少し先のことを見据えて進んでいきたい。自分が歩んできた道を、「これが私にとっての正解だった」と思えるように。これからも、そうやって進んでいきたいと思っています。
次回は、牛窪 恵さんにウェルビーイングについて伺います。
これからの人生を豊かにするヒントをたっぷりお届けします。11月に公開予定ですので、どうぞお楽しみに!