<トークイベント:神田うのさん/森田敦子先生>
美と健康を育むフェムケアを学ぼう!
フェムケアのフェムは、フェミニンやフィメールなど、女性を指した言葉。女性は月経が始まって閉経を迎えるまでの間、 女性ホルモンのバランスやゆらぎに大変な思いをすることもあると思います。そのライフステージに合わせて、知識を得て、自分自身のケアをしていくことがとても大切。
女性自身のケアに関して周囲とも話しやすい、相談しやすいという点で、 フェムケアという言葉は役立っていると思います。
女性ホルモンは、20代半ばあたりから徐々に減少していきます。私はフランスで勉強していたのですが、大体25歳~28歳あたりから、特にエストロゲン、プロゲステロン、女性ホルモンの分泌が少なくなっていきます。まずは女性の体について知り、どんなケアをしていくか。デリケートゾーンのケアは、女性にとって将来大きな違いが出てくるので早い段階からケアを始めていきましょう。
更年期とデリケートゾーンのセルフケア
更年期とデリケートゾーンのケアについてどういう関係があるのかと言うと、自律神経に大きく影響していきます。イライラしたり、切なくなったり、 悲しくなったり。ちょっと鬱になってしまうこともあるかもしれません。同時に自律神経の働きが衰えることにより、実はデリケートゾーン周りも萎縮したり乾燥したりと影響が出てきます。
特にこの自律神経が整わなくなってくるのは、30代前半あたりから。 その時にデリケートゾーン周りから粘液が出づらくなってしまい、粘膜が薄くなってしまったり萎縮や乾燥が起こったりしてしまう。
女性の毎日の生活に大きな影響を与えるので、正しい知識やデリケートゾーンのケアが重要になってきます。
森田敦子先生がデリケートゾーンケアを取り入れたきっかけ
私は20代で自己免疫疾患になって8カ月間入院していました。突然起こった体の大問題をどうやってケアするか。それがきっかけとなり、フランスで医薬学部の薬学、フィトテラピー(植物療法)を学びました。そして、植物の機能性を体に取り入れることや、食欲、睡眠、性科学が大事だと知りました。自分が健康であることを大切に思いながら自分自身をケアしていくなかでデリケートゾーンのケアも大事なんだと気づき、勉強しながら実践してきました。
デリケートゾーンの洗浄と保湿について
頭皮の汚れと脇の下の汚れ、お顔の汚れ…汚れの種類は全部違います。デリケートゾーン周りは恥垢といって、オリモノや尿の汚れからできた他とは違う汚れです。だからデリケートゾーン専用の洗浄料で落としてあげることが大切です。
そして、お顔と同じように保湿する。そうすると、黒ずんだりペラペラしたりした状態が改善していきます。さらに、かゆくなったりムレたりすることも減ってくるんです。だから、保湿することはとても重要です。
【神田うのさんの体質】冷え、不眠…幼少期からの不調
私はもともと小学生のころに自律神経失調症と診断されたので、今50歳になったからといって自律神経が乱れたということはないんです。常に不眠だったり、眠りが浅かったり。
小学生の頃から冷えもすごくて、10代から40代、そして今もずっといつも冷えています。そういう体質だからしょうがないんです。幼少の頃から不眠とも向き合ってきて色々試してはみましたが、もう寝られたら寝ればいいやという感じです。 でもすごく健康体!
更年期になって体質が急に変わるとびっくりしちゃうかもしれないですが、分かった上で対応していけばいいと思います。
【神田うのさん流フェムケア】デリケートゾーンのケア&子どもへの伝え方
フェムケアに関しては、日本でこんな風に有名になる前から実はもう20年くらいやっています。フランスのオイルをいつも塗っていました。例えば、お風呂に入ってボディーソープでお顔を洗いませんよね?体はボディーソープ、お顔は洗顔料。デリケートゾーンも専用のアイテムで。娘は今中学2年生ですが、小学校の低学年から教えています。
今は日本製のフェムケアアイテムもたくさん出ていますね。お顔をケアするように、デリケートゾーンもケアをする。娘には、お顔と一緒だよと言っています。
デリケートゾーンは、例えば腕のような皮膚と比較すると約40倍も経皮吸収するそうです。だからこそデリケートゾーンケアのアイテムは余計なものが入っておらず、美容成分が入ったものを選ぶ。お顔以上に大事にしたいと思っています。
【神田うのさん流温活】一年中取り組んでいる冷え対策
私はいつもカイロ、ショール、ファーなどを持ち歩いています。夏は冷房もすごいですし、体をやさしく温めてくれる、貼るタイプの温度の低い温熱シートは必需品。私はヘルニアになったこともあるので、腰を冷やさないように気を付けています。自分はこういう体質なんだと受け入れて、体を温めるアイテムをうまく利用しています。
【森田敦子先生のおすすめ】ハーブを生活に取り入れる
フィトテラピー(植物療法)の観点から取り入れられる、女性におすすめのハーブは「チェストベリー」と「メリッサ(レモンバーム)」。この二つは、女性ホルモン様作用があると言われています。更年期の不調に対しても、ゆっくりとケアをしてくれる。うまく取り入れて、自然と共に生きる、女性が女性として輝いて生きるということを意識していけたらいいなと思っています。
【神田うのさん流トレーニング】ポイントは骨盤底筋
最近よく話題ですが、骨盤底筋を鍛えることは大事だと思っています。私は、知らないうちにクラシックバレエで自然に鍛えられていました。そのおかげで、尿漏れは一度もありません。ずっと体を動かしてきて、そして今も縄跳びなどで運動していることが良いのだと思います。
私は骨密度もすごく高い数値らしくて、この年齢と思えない、ものすごく若い骨密度だと言われました。更年期になると、見た目的にもお腹がぽっこりしちゃう方は多いと思います。私がお腹が出ていないのは、筋肉できちんと内臓を押さえられてるからだそうです。筋肉が緩んでくると、内臓を押さえられずにぽっこりしてしまう。運動をして、筋肉、そして骨盤底筋を鍛えることが大事だと思います。
Q&A
Q. 温活やフェムケアに良いといわれているよもぎ蒸しについて
A. よもぎ蒸しは日本でも近年ブームになっていますよね。よもぎの抗菌力と、蒸気が肌にあたることで肌を整えてくれたり、温めてくれたり。それが同時にできるので、すごく良いと思います。(森田先生)
Q. 日常で取り入れているハーブやアロマはありますか?
A. その日の気分で、オーガニックのものを選んで色々取り入れています。私はラベンダーが好き。あとは、ヒノキ、ジュニパー。気分をスッキリさせたいときにはペパーミントなどを選んでいます。(神田さん)
A. イチオシのハーブは、エキナセア。ハーブティーもありますが、チンキがおすすめ。健康維持のために取り入れていました。
冷えが気になる方には、ヴァンルージュがおすすめ。赤ブドウの葉で、抗酸化作用もあると言われています。(森田先生)
神田うのさんプロフィール
森田敦子先生プロフィール
森田 敦子(もりた あつこ)さん:植物療法士・フェムティスト
日本における植物療法と性科学の第一人者。サンルイ・インターナッショナル代表。フィトテラピーが日本に根付く20年以上も前に、フランス国立パリ13大学で植物薬理学を学び、日本で植物療法の普及に努める。人生100年時代の健康を見据え、産前産後や介護の現場で女性の健康をトータルにサポートする可能性を追求している。植物の力を通じて、心と体にうるおいを与えるような健やかな時間、ライフスタイルを提案する音声メディア「森田敦子のまずは自分から♡」をpodcast、spotifyで配信中。主な著書に『潤うからだ』(ワニブックス)、『感じるところ』(幻冬舎)などがある。