寝ているだけでは疲れはとれない?「消極的休息」と「積極的休息」のすすめ

寝ているだけでは疲れはとれない? 「消極的休息」と「積極的休息」のすすめ

更年期世代はホルモンバランスの変化などの影響で、「いつも疲れている」と感じやすい世代です。
寝たら疲れがとれると思う方もいますが「寝ているだけで疲れがとれるの?」と聞かれた際は、「寝ているだけでは十分に取れないこともあります」と伝えています。

この記事の監修者

株式会社three jobs代表取締役、一般社団法人睡眠body協会代表理事、iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授、理学療法士

矢間あや

専業主婦から離婚をきっかけに理学療法士に。医療現場での経験を活かし「睡眠の専門家」としてブランディングし独立。睡眠を切り口に、人的資本経営/健康経営をテーマに企業向けに講演や研修を行う。さらに自身で広報PRを行い、述べ50媒体以上に掲載される。この経験を活かし、経営視点を取り入れたパブリックリレーションズ支援を行う。睡眠を切り口にした人的資産と経営をつなぐ専門家として、組織の問題解決に貢献している。

疲労回復には大きく分けて「消極的休息」と「積極的休息」の2種類があります。

疲労回復の種類 内容
消極的休息 体を完全に休めること。睡眠や昼寝、何もしないで横になることなどが該当します。強い疲労があるときや体調不良時には欠かせない休み方です。
積極的休息 軽い運動やストレッチ、ウォーキング、ヨガなど、体を軽く動かしながら血流を促進し、疲労回復をうながす休み方です。筋肉の柔軟性向上や気分転換にも効果的です。

体を酷使するアスリートの世界では、素早い疲労回復のために積極的休息が重要視されています。
アスリートではない私たちでも、疲労回復のため、積極的休息である軽い運動を取り入れることは大切です。

現代人はデスクワークやスマートフォンの長時間利用が日常化しているため、知らず知らずのうちに体が緊張した状態になりやすいです。

例えばパソコンやスマホの画面を長時間見続けると、目の筋肉が常に緊張し、頭痛や自律神経の乱れを引き起こしやすくなります。また同じ姿勢で座り続けると、首や肩、背中、腰の筋肉が硬直し、血流が悪くなって肩こりや腰痛、頭痛などの不調につながります。

さらにスマホやパソコンを操作する際は、頭や首が前に突き出る「スマホ首」や「猫背」といった不良姿勢になりがちです。このような姿勢は、首や肩の筋肉を過剰に緊張させてしまいます。

ディスプレイから発せられる光や、情報過多による脳への刺激は、交感神経を優位にし、リラックスしづらい状態に繋がるので、そのまま寝ても「疲れがとれない」「朝起きてもスッキリしない」と感じやすいです。

このように現代の生活環境では、気づかないうちに体が緊張し続けていることが多いため、疲れをとるためには意識的に体を動かすことが大切です。

積極的休息をとる場合、心地よいと感じる程度の軽い運動がお勧めです。ウォーキングや軽いジョギングは、息があがらない程度にすると全身の血流を促進し、疲労回復やリフレッシュ効果を感じやすいです。
またラジオ体操やストレッチ、ヨガ、ピラティスなどは筋肉の緊張をほぐし、血行の改善や、呼吸を整えることによる心身のリラックス効果、柔軟性の向上が期待できます。他にもサイクリングをすると、プチ旅行気分を味わうこともできます(体調を崩さないよう、季節・気温など、運動するタイミングにご注意ください)
寝ても疲れがとれないと感じる場合、積極的休息を意識的に取り入れると、自律神経を整え、睡眠にも良い影響を与えます。

厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、運動習慣がある人の割合は、男性で36.2%、女性で28.6%であり、この10年間で、男女とも有意な増減はみられないと報告されています。更年期世代の私たち女性の運動習慣も、決して高いとはいえません。

令和5年「国民健康・栄養調査」の結果

運動不足は、まさに万病の元。
体を動かさない生活が続くと、肥満や生活習慣病だけでなく、睡眠問題や心身の不調など、さまざまな病気のリスクが高まります。

体調が悪いときや疲れが強いときは消極的休息でしっかり体を休め、少し元気が出てきたら積極的休息として、軽い運動や散歩、ストレッチを取り入れる。
このメリハリが、心身の調和を保ち、日々の疲労をため込まないコツです。

睡眠に加え、積極的休息を意識的に取り入れると、疲労回復だけでなく、睡眠にも良い影響を与え、結果的に「疲れがとれやすい体」へと変わっていきます。
「休むこと=怠けること」ではありません。
自分の体と向き合い、賢く休息をとることが、明日への活力となります。更年期世代は賢く疲労を回復しましょう。

※専門家の見解であり効果を保証するものではありません
※QVCがお悩みのヒントになるコラムの執筆を専門家にお願いしました

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