寝ているだけでは疲れはとれない?「消極的休息」と「積極的休息」のすすめ
更年期世代はホルモンバランスの変化などの影響で、「いつも疲れている」と感じやすい世代です。
寝たら疲れがとれると思う方もいますが「寝ているだけで疲れがとれるの?」と聞かれた際は、「寝ているだけでは十分に取れないこともあります」と伝えています。
この記事の監修者
疲労回復には2つの考え方がある。消極的休息と積極的休息
疲労回復には大きく分けて「消極的休息」と「積極的休息」の2種類があります。
| 疲労回復の種類 | 内容 |
|---|---|
| 消極的休息 | 体を完全に休めること。睡眠や昼寝、何もしないで横になることなどが該当します。強い疲労があるときや体調不良時には欠かせない休み方です。 |
| 積極的休息 | 軽い運動やストレッチ、ウォーキング、ヨガなど、体を軽く動かしながら血流を促進し、疲労回復をうながす休み方です。筋肉の柔軟性向上や気分転換にも効果的です。 |
体を酷使するアスリートの世界では、素早い疲労回復のために積極的休息が重要視されています。
アスリートではない私たちでも、疲労回復のため、積極的休息である軽い運動を取り入れることは大切です。
「寝ているだけ」では回復しきれない理由
現代人はデスクワークやスマートフォンの長時間利用が日常化しているため、知らず知らずのうちに体が緊張した状態になりやすいです。
例えばパソコンやスマホの画面を長時間見続けると、目の筋肉が常に緊張し、頭痛や自律神経の乱れを引き起こしやすくなります。また同じ姿勢で座り続けると、首や肩、背中、腰の筋肉が硬直し、血流が悪くなって肩こりや腰痛、頭痛などの不調につながります。
さらにスマホやパソコンを操作する際は、頭や首が前に突き出る「スマホ首」や「猫背」といった不良姿勢になりがちです。このような姿勢は、首や肩の筋肉を過剰に緊張させてしまいます。
ディスプレイから発せられる光や、情報過多による脳への刺激は、交感神経を優位にし、リラックスしづらい状態に繋がるので、そのまま寝ても「疲れがとれない」「朝起きてもスッキリしない」と感じやすいです。
積極的休息をとる場合、心地よいと感じる程度の軽い運動がお勧めです。ウォーキングや軽いジョギングは、息があがらない程度にすると全身の血流を促進し、疲労回復やリフレッシュ効果を感じやすいです。
またラジオ体操やストレッチ、ヨガ、ピラティスなどは筋肉の緊張をほぐし、血行の改善や、呼吸を整えることによる心身のリラックス効果、柔軟性の向上が期待できます。他にもサイクリングをすると、プチ旅行気分を味わうこともできます(体調を崩さないよう、季節・気温など、運動するタイミングにご注意ください)
寝ても疲れがとれないと感じる場合、積極的休息を意識的に取り入れると、自律神経を整え、睡眠にも良い影響を与えます。
運動習慣データから見る運動不足な現状
厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、運動習慣がある人の割合は、男性で36.2%、女性で28.6%であり、この10年間で、男女とも有意な増減はみられないと報告されています。更年期世代の私たち女性の運動習慣も、決して高いとはいえません。
運動不足は、まさに万病の元。
体を動かさない生活が続くと、肥満や生活習慣病だけでなく、睡眠問題や心身の不調など、さまざまな病気のリスクが高まります。
自分の体と相談しながら“休息”を人生の戦略に
体調が悪いときや疲れが強いときは消極的休息でしっかり体を休め、少し元気が出てきたら積極的休息として、軽い運動や散歩、ストレッチを取り入れる。
このメリハリが、心身の調和を保ち、日々の疲労をため込まないコツです。
※専門家の見解であり効果を保証するものではありません
※QVCがお悩みのヒントになるコラムの執筆を専門家にお願いしました
#更年期 #疲労回復 #積極的休息 #運動不足