「年齢とともに変わる睡眠」との上手な付き合い方

「年齢とともに変わる睡眠」との上手な付き合い方

更年期を迎えて、「以前より眠れなくなった」と感じる方は多いのではないでしょうか。
「寝つきが悪い」「眠りが浅い」「夜中に何度も目が覚める」などと感じることは、加齢による自然な変化と言えるため、心配し過ぎないことが大切です。

この記事の監修者

株式会社three jobs代表取締役、一般社団法人睡眠body協会代表理事、iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授、理学療法士

矢間あや

専業主婦から離婚をきっかけに理学療法士に。医療現場での経験を活かし「睡眠の専門家」としてブランディングし独立。睡眠を切り口に、人的資本経営/健康経営をテーマに企業向けに講演や研修を行う。さらに自身で広報PRを行い、述べ50媒体以上に掲載される。この経験を活かし、経営視点を取り入れたパブリックリレーションズ支援を行う。睡眠を切り口にした人的資産と経営をつなぐ専門家として、組織の問題解決に貢献している。

若い頃は入眠後すぐに深いノンレム睡眠に入り、1~2時間後に、レム睡眠(夢を見る浅い眠り)へ移行します。これを一晩に4~5回繰り返し、朝を迎えます。
しかし加齢とともに、深い眠りのノンレム睡眠の割合が減り、目をつぶっているものの脳は起きている状態である割合が増えるため、若い頃と比べて「ぐっすり眠れた」と感じづらくなります。
また更年期世代になると、若い頃より睡眠時間が短くなりやすい点も変化のひとつです。加齢により、体温やホルモン分泌などの生体機能のリズムが早まるため、年齢を重ねると早起きになりやすいと考えられています。
さらに更年期世代は、女性ホルモンの急激な減少により自律神経が乱れやすくなり「以前のように熟睡できない」「自分は病気なのでは」と不安を感じる方も少なくありません。
しかし「熟睡できない」と感じても、日中の生活に支障がなく、強い眠気や集中力の低下がなければ、過度な心配は不要と言われています。

ただし病気の初期に睡眠の問題が生じるケースもあるので、気になる場合は専門医への相談をお勧めします。

次は、更年期世代が睡眠の満足度を高めるために、日常生活で気をつけたいポイントを3つお伝えします。

1.「眠れない=悪」ではないと知る

更年期に差し掛かり、睡眠の不満を感じる人は少なくありません。しかし「眠れないのは悪いこと」と考えすぎず、「年齢による変化は自然」と受け止めることが大切です。
眠れない夜があっても、それが必ずしも健康に大きな悪影響を及ぼすわけではありません。
「眠れない」「浅い眠りが続く」と過度に悩むこと自体がストレスとなり、睡眠を妨げることもあるので、焦らずリラックスして過ごしましょう。

2. 朝の光を浴びて体内時計をリセットし、規則正しい生活を送る

朝の光を浴びることは、体内時計をリセットし、睡眠と覚醒のリズムを整えるためにとても大切です。
起床後すぐにカーテンを開けて太陽の光を浴びると、脳が「朝」を認識し、夜に眠気が訪れやすくなります。
忙しくて眠る時間が不規則になることもあるかもしれませんが、できる限り毎日同じ時間に起きて朝の光を浴び、規則正しい生活を心がけましょう。

3. 適度な運動で「心地よい疲れ」を

日常生活に取り入れやすい軽い運動を続けると、眠りやすくなることがあります。
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、自律神経を整え、睡眠に良い影響を与えます。
またラジオ体操など、起床後の運動を習慣化するのもおすすめです。

運動不足から不調になるケースもあるので、まずは日常生活で動く量を増やすところからはじめましょう。

更年期世代になると深い眠りが減り、睡眠時間も減少傾向になりますが、これは自然な変化と言えます。
日中の強い眠気や体調不良がない場合は心配し過ぎず、自身に必要な睡眠時間や、体調に目を向けましょう。
ただし病気の初期に睡眠の問題が生じるケースもあるので、何かおかしいなと思った際は、病院で診てもらいましょう。
「眠れない自分を責めず、年齢とともに変化する体と上手に付き合う」
これが更年期世代にお勧めの、睡眠との向き合い方です。

※専門家の見解であり効果を保証するものではありません
※QVCがお悩みのヒントになるコラムの執筆を専門家にお願いしました

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