痩せたいなら“眠る”ことが1番の近道
現代の忙しい生活の中で、睡眠の質が健康やダイエットに大きな影響を与えることが注目されています。
睡眠中の体温リズムが深い休息をもたらし、代謝を調整します。
この記事では、良質な睡眠を得るためのアプローチと健康への重要性について探ります。
この記事の監修者
睡眠と代謝のヒミツな関係
なぜ私たちは夜になると眠くなるのでしょうか?
これは私たちの体の中に刻まれた“体内時計”と“体温”のリズムが深く関わっているためです。
体内時計とは、体の中にある「1日のリズムを作る仕組み」です。この仕組みにより、体温・血圧・分泌ホルモンなどが自動調節され、日中は活動状態に、夜は休息状態へ切り替わります。
そして私たちの身体には、皮膚温度と深部体温の2つの体温が存在します。
皮膚温度とは皮膚表面で計る温度のことで、外部環境や血流により変化しやすいのが特徴です。
一方、深部体温とは、脳や内臓など体の内部の温度のことで、通常は約37度前後に保たれています。深部体温は、朝になると上がり、夜になると自然に下がっていくよう設計されています。深部体温がゆるやかに下がることで眠気が促され、深い睡眠へと導かれます。
体温とリズム
人の体温(深部体温)は、1日を通して一定ではありません。朝に向けて少しずつ上昇し、午後にピークを迎えたあと、夜に向けて徐々に下がっていきます。この“深部体温”の低下が、脳に「そろそろ眠る時間だ」と合図を送り自然な入眠を促します。さらに深部体温がより下がることで、脳と体が休息モードに入り深い眠りに入ります。
睡眠と代謝の関係
睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠の2つの状態で構成されています。レム睡眠は脳が集中して夢を見る事が多い睡眠状態で、眼球が素早く動くのが特徴です。一方、ノンレム睡眠は脳が休息する深い眠りになると言われています。
夜間の睡眠時、私たちの体は活動レベルを穏やかに下げ、休息と回復に重点を置いた「省エネモード」に切り替わります。
心拍数や呼吸が穏やかになり、深部体温が低下するのは、エネルギー消費を抑え体のメンテナンス機能を高めるためです。
例えば、深部体温が下がることで、成長ホルモンの分泌が促され、日中にダメージを受けた細胞の修復や、疲労した筋肉の回復が効率的に行われます。
成長ホルモンは、子どもの成長だけでなく、大人の免疫力向上や肌のターンオーバーにも不可欠な役割を果たしています。
睡眠中の代謝リズム
睡眠中は、代謝率が通常より15〜35%ほど低下します。これは体が休息するために「省エネモード」になり、細胞の修復や疲労回復にエネルギーを集中させるためです。特にノンレム睡眠時は、脳のエネルギー源であるブドウ糖の消費が減り、脳がしっかり休みます。その代わり、明け方になると肝臓が少しずつブドウ糖を血液中に放出し、目覚めた時にすぐ活動できるように準備を整えます。
さらに睡眠不足が続くと、ホルモンバランスの乱れが生じやすくなります。睡眠不足になると食欲をコントロールするホルモンのバランスが乱れ、結果として食べ過ぎにつながると言われています。
良質な睡眠を得るための具体的アプローチ
では、どうすれば良い睡眠を得ることができるのでしょう。
その前に少し考えていただきたいことがあります。そもそもなぜ今、睡眠の問題がこれだけ注目を集めているのでしょうか。
私たちの体は本来「動く」ようにできています。
現代社会では便利さと引き換えに動かない生活を手にいれ、『不調』という代償を手にしてしまいました。メタボリックシンドロームや生活習慣病は代償として有名ですが、現代の睡眠問題の多くもこの延長線上にあると考えています。
これらを踏まえて、私たちが日常生活で気をつけたいことを3つご紹介します。
1. 睡眠を含めた時間管理の見直し
毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることが体内時計を整える第一歩です。そのためにはまず眠る時間と起きる時間を決め、そこから1日のスケジュールを見直しましょう。
休日は目覚ましに邪魔されずに寝たいと思いますが、2時間以上の寝坊は避けることが理想です。
2. バランスのとれた食事
バランスのとれた食事は、健康の維持や増進、生活習慣病の予防のために大切です。さらにホルモンや脳内伝達物質を作るためにも栄養は大切な役割を果たしています。
例えば「トリプトファン」や「ビタミンB6」は、脳内で「セロトニン」に変換され、夜に睡眠ホルモン「メラトニン」の生成を助けると考えられています。
3. 適度な運動習慣
日中に軽く体を動かすことで、夜に自然な眠気が得られます。また、筋肉は人体最大の熱産生器官で、筋肉量の低下は体温の低下に繋がります。50年前と今では、日本人の体温の平均は0.7度近く下がっていると言われています。日常生活の中で体を動かす量を増やしていくのが続けるコツです。
ウォーキングやストレッチなど、無理のない運動を日常に取り入れましょう。
※専門家の見解であり効果を保証するものではありません
※QVCがお悩みのヒントになるコラムの執筆を専門家にお願いしました
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