【医師解説】シミの種類や原因とは?最新の治療法も紹介!
私たちの顔や手に現れる茶色や黒っぽい斑点――これを一般的に「シミ」と呼びます。
医学的には「色素斑」といい、紫外線や加齢、ホルモンバランスの乱れなど様々な原因で起こります。皮膚のメラノサイトという細胞が産生するメラニン色素が過剰に生成されて、ターンオーバーによって排出されずに蓄積した結果です。
しかし“シミ”と一口に言っても、その種類により成因(原因)も性質も異なり、適切な治療法も変わってきます。
この記事では、主要なシミの種類を整理しつつそれぞれの原因や特徴を解説。さらに、最新の治療法についても紹介していきます。
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1. 老人性色素斑(日光黒子)
老人性色素斑とは、年齢とともに徐々に増える最も一般的なタイプのシミです。一般的に「シミ」と言えばこれを指します。主な原因は紫外線によるダメージの蓄積と代謝(ターンオーバー)の低下です。紫外線がメラノサイトを刺激し、過剰なメラニン生成と排出不全が進むため、隆起せず平らで境界がはっきりした斑点として現れます。
【治療法】
Qスイッチレーザーやピコレーザーを用いて、メラニンを熱的・衝撃的に破壊し、除去します。Qスイッチは以前から用いられている一方、ピコレーザーは比較的新しく、照射時間が極めて短いため、周囲にダメージを与えずに色素を破壊できます。いずれも1~3回ほどの照射でかなりの改善が期待されます。
またレーザーはテープ保護などのダウンタイムがある一方、ダウンタイムがない光治療(IPL)も人気です。こちらはシミを薄くしていくという治療法で回数が必要になります。施術と併用して、色素沈着の予防としてトレチノインやハイドロキノンによる外用療法、さらには内服療法(トラネキサム酸やビタミン類など)を併用するのが一般的です。
2. そばかす(雀卵斑)
そばかすは、主に遺伝的要素に起因し、鼻や頬など顔全体に小さく点状に散らばるのが特徴です。紫外線を浴びることで濃くなる傾向があり、子供の頃から形成され大人世代に残ることも多いです。
【治療法】
老人性色素斑に比べて数が多く範囲も広いことが一般的なので、広範囲に照射する光治療(IPL)を行うのが第一選択肢となります。ピコレーザーやQスイッチレーザーによるトーニングも一定の効果が期待できますが、これらのレーザーによるスポット照射で目立つそばかすなどをピンポイントに治療することもあります。
3. 肝斑
肝斑は、30~40代の女性に多く、頬骨のあたりに左右対称にもやっとした輪郭不明瞭なシミが現れます。
ホルモンバランスの乱れ(妊娠、ピル、更年期など)が関係し、紫外線や摩擦などの外的刺激によって悪化しやすいのも特徴です。
【治療法】
強いレーザーや光治療(IPL)は刺激となって逆に肝斑を悪化させる可能性があるため、レーザートーニング(低出力のレーザー照射)が主流です。これは照射パワーを弱くすることで、メラノサイトを活性化させずに肌への刺激を抑えながら肝斑を薄くしていきます。治療回数は5~10回程度が目安です。
4. ADM/後天性真皮メラノサイトーシス/両側性遅発性太田母斑様色素斑
皮膚のより深い層に存在するメラノサイトによって色素が作られ、紫外線やホルモンなどに影響されて現れるとされます。
10代後半から生じることが多く、茶色ではなく、やや灰色っぽい色味のシミとして見られることが多いです。
【治療法】
比較的深い部位での色素沈着なので、浅層にしか届かない光治療のみでは限界があります。Qスイッチレーザーやピコレーザーなどで適切なモードを選び、深部のメラノサイトを破壊することが治療の鍵となります。また複合的に外用・内服療法を行うこともあります。
5. その他:炎症後色素沈着・脂漏性角化症ほか
ニキビやかぶれなどの炎症のあと、色素が沈着して残る「炎症後色素沈着」、加齢により皮膚の表面が盛り上がり茶褐色化した「脂漏性角化症」などもシミに含まれます。
【治療法】
炎症後色素沈着にはピーリングやイオン導入、美白成分の外用などを用い、炎症を抑えてターンオーバーを促進します。脂漏性角化症には液体窒素療法やCO₂レーザーなどが適応となることがあります。
ダブルパルス方式
ダブルパルス方式は、1回の照射で2回連続してピコレーザーを照射することで、色素をより細かく効果的に破壊できます。低出力でも十分な効果が出せるため、肌への負担が少なく済みます。
500 psパルス幅
技術の進化により、レーザーの照射時間を従来の約750 psから更に短い500 psに短縮することができるようになりました。その結果、メラニン色素を極めて細かく粉砕することが可能になっています。さらに、熱ダメージが少ないのでダウンタイムも短縮されます。
シミ治療を受ける際のポイントと注意点
続いて、シミ治療を受けるにあたって押さえておきたいポイントと注意点を見ていきましょう。
紫外線対策と日常ケアを怠らない
どのシミにも共通して言えるのは、「日々の紫外線対策」が基本中の基本です。
UVケアを怠ると、治療の効果が出にくいばかりか、再発のリスクも高まります。また、肌への摩擦や刺激も避けるべきです。
カウンセリングと適切な診断を受ける
シミの種類を見誤ると、刺激の強い治療が逆効果を招いたり、効果が現れなかったりします。医師による診断とカウンセリングで、肌の状態・ライフスタイル・目的に合わせた最適な方法を選ぶことが重要です。
副作用とアフターケアを考慮する
レーザーや光治療には、かゆみ・赤み・ヒリヒリ感・かさぶた・一過性の色素沈着・ごくまれに色素脱失などが副作用として起こることがあります。ダウンタイム中の過ごし方や保湿、刺激回避策などアフターケアの有無も選択の重要なポイントです。
まとめ:シミ治療は進化し続ける
シミはただの美容上のトラブルではなく、日々のケアや生活の積み重ねが表に現れるサインでもあります。
しかし医療技術の進歩した現在では、過去にどのような環境や肌の状態にあったとしても、最新の治療を活用して改善する道が開かれています。
特に2025年の最前線技術である「ダブルパルス方式」と「500 ps」のピコレーザーは、少ない負担で高い効果を目指す人にとって注目の選択肢です。
また、光治療(IPL)やレーザートーニング、ピーリング、イオン導入、外用・内服療法などを組み合わせることで、“再発しにくい美肌” を得ることが可能となってきています。
最終的に重要なのは、シミの種類を正しく見極め、肌に合った正しい治療を受けること、そして日常の紫外線対策とケアを怠らないことです。
医師との連携を大切にし、自分に合わせたプランを組んでいくことで、シミという肌悩みを“過去のもの”にしていくことは十分に可能なのです。
※専門家の見解であり効果を保証するものではありません
※QVCがお悩みのヒントになるコラムの執筆を専門家にお願いしました
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