更年期と「フェムケア」「インナーケア」について、漢方医学の視点でアプローチ。

更年期と「フェムケア」「インナーケア」について、漢方医学の視点でアプローチ。

更年期特有のお悩みを持つ女性が、相談窓口として漢方を選ぶケースが多くみられます。
最近世間でも良く聞かれるようになってきた、「フェムケア」や「インナーケア」と漢方について。
また、更年期が身体だけではなくメンタルに与える影響、症状、ケア方法について、
漢方医学の視点から、考え方や向き合い方を石原先生にアドバイスいただきます。

この記事の監修者

医師・イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ理事、ロングライフラボ理事、秋田栄養短期大学特任教授

石原 新菜(いしはら にいな)

症状だけではなく、総合的に寄り添ってくれる存在。

女性特有のお悩みと漢方の相性。

現代の西洋医学では、例えば「胃が痛い」という症状に対しては、胃酸を抑えるとか、痛み止めを処方するなど症状に対してピンポイントでの対処療法になりますよね。漢方では、その人の自然治癒力を高めるようにサポートして、その人が持つ自分の力で治すのを助ける、身体全体のバランスを整えていくという考え方になります。

漢方と現代医学ではそもそもの考え方やアプローチ方法が違います。どちらにも素晴らしい面があり、どちらが正しいという事ではありません。

例えばですが、80歳の方と20歳の方はどちらも「大人」になりますが、排せつ力や活動量なども違うので、必要な水の摂取量なども違いますよね。

西洋医学ですと一律で大人は一日何リットルが必要などの目安がありますが、漢方はそういう考えではなく、性別、年齢、体力や生活習慣などを見て総合的に判断します。また、西洋医学は「冷え」の概念がないのも特徴ですね。

「オーダーメイド処方」でその人に寄り添う。

現代の西洋医学は「病名処方」と言って、体調が悪くなり、病院へ行き、検査をし、病名が決まれば治療法は決まる、治療の計画を立てるという流れですね。漢方の考え方は「オーダーメイド処方」といって、その人に合わせて薬を出します。

病院などで高血圧と診断された場合は、現代医学ではほぼ降圧剤の処方になると思います。漢方では、この人はなぜ血圧が上がっているのだろう?と、まず原因を総合的に考えます。

血圧が高い原因は、ストレスかもしれないし、冷えかもしれない。食べすぎかもしれないし寝不足かもしれない。血流が悪いのかも?など、同じ「高血圧」という症状でも、原因や患者さんによってそれぞれ違うお薬を処方することがあります。そこが大きな違いかもしれませんね。

緊急性を要するものなどは現代医学での向き合い方が合っている場合ももちろんあります。例えば慢性の頭痛などで苦しんでいて、とりあえず痛みがつらい、痛みをいち早く解決したいという方は、痛み止めで抑えるというのもひとつの方法です。漢方では根本的な原因を探り、時間はかかるかもしれませんが、体質改善を図り、例えば痛み止めの服用回数を減らしていくためにはどうすればよいのか、というアプローチをします。

現代医学と漢方を使い分けしながら、頭痛薬を飲む回数を減らしていくなど、長い目で見て解決を目指すという方もいらっしゃいますね。

更年期の症状はとても複雑で、人それぞれだから。

この症状だけ、とか、ここだけ治したい、というよりも、不調の原因や症状が複雑に絡み合っていることが多い更年期。それこそ症状は人によっても全く違いますし、どこから対処していけば良いのかわからないという方もいらっしゃいますので、全体を整えるというアプローチの漢方医学を選ぶ方が多くいらっしゃるのかもしれません。

本人の意識も大切

漢方というのはそのように総合的なアプローチですので、患者さん自身の意識や行動も必要になっていきます。処方された漢方薬だけではなく、きちんと睡眠や食事をとれているか、ストレスをためるような生活を続けていないかなど、生活習慣も一緒に心がけて、寄り添う。本人の意識と、漢方医学がタッグを組むのが大切ですね。

漢方と現代医学、どちらも利用しつつ、黄金期へ

更年期でお悩みの方は、婦人科などではホルモン療法ももちろんありますが、それは長く続けたくないと思う方もいらっしゃいます。副作用を気にされる方もいますね。そういった場合は婦人科でも漢方薬を処方してくれることもありますので、気軽に相談してみて下さい。

漢方と現代医学、どちらも利用しつつ、黄金期へ

身体の自然な変化を受け入れながら、上手に乗り切りましょう。

更年期は閉経前後の約10年間、女性であれば皆さんが通過する時期ではありますが、自然の身体の変化として生理も終わっていきますし、ホルモンのバランスも変化します。この約10年間をうまく乗り切っていくために、総合的にどういったことをすればいいのかと漢方医学では考えます。そしてこの時期が終れば次は黄金期が待っています。

大きな出来事が重なりやすい、ハードな時期。

女性にとって、更年期と呼ばれる40代後半から50代にかけては、自分自身のホルモンバランスが大変な時期でもありますが、同時にお子さんが反抗期や思春期を迎える時期でもあったり、親の介護の問題が出てきたり、パートナーが生活習慣病で倒れたりなど、人生のステージで様々な出来事が重なりやすいタイミングでもあります。

家庭の中でも、お仕事でも、やることも多く、責任が重くなる世代でもありますよね。肉体的にもメンタル的にもハードになりがちだと思いますので、ご自愛してください。

自分の身体と向き合い、いたわる時間も取ってください。更年期に自分の身体の声にどれだけ耳を傾けて、どんな生活をするのかが、60代、70代、それ以降の健康につながっていきます。人生を見直す良いタイミングでもあります。サプリを試してみるのも良いですし、漢方や現代医学も上手に頼りつつ、お医者さん、専門家にも気軽に相談しながら、とにかく自分を大切に、ご自愛しながら乗り切りましょう!

※専門家の見解であり効果を保証するものではありません
※QVCジャパンがインタビューした内容をまとめたコラムです

#更年期ケア #フェムケア #インナーケア #漢方医学