石原新菜先生とはじめよう♪
夏こそ温める、巡らせる!元気と美しさ~ここが知りたい!冷え、温活、腸活~
夏は室内と室外の温度差で体の「冷え」などに悩む方が多い季節。万病のもとと言われる「冷え」に立ち向かう「温活」が注目されていますが、石原先生の考える「冷え」のデメリットや、からだをあたためる「温活」のメリットとは?
この記事の監修者
美しさだけでなく、毎日の活動を楽しめるように健康でいたい。すべての女性にとっての永遠のテーマです。
年齢を重ねるごとに、痩せにくくなったり基礎代謝の悪さが気になったり、心身ともに様々なお悩みが増えたり、悩みの種類が変化していくことも。健康を維持しながら美しくもありたい。筋力や体力をつけながら美しいボディラインを目指したい。そんな風に考える QVC 世代のみなさまが、生活習慣や未来の自分を変えるきっかけになるヒントがいっぱい。
イシハラクリニック副院長として、漢方医学、自然療法、食事療法などにより、種々の病気の治療にあたり、女性の抱える様々な美と健康のお悩みに造詣が深い、石原新菜(いしはら にいな)先生に、様々な観点からアドバイスをいただき、輝く毎日のヒントを見つけて、暮らしの中で実践していきましょう!
不調がある部分は、冷えている
温めることのメリット、たくさんありますよ~!そして、冷えはデメリットしかありません。注目していただきたいキーワードは「血流」です。全ては「血流」と言っても良いくらいに、体にとって大切です。なぜなら、私たちの体の中で、血液が運んでくれるのが酸素や栄養や水分などで、それによって、細胞が元気に働くことが出来ます。血流が悪いと臓器の不調も出てきますし、お肌や髪にも不調が出てきます。
漢方の診察では体を触って状態を診るのですが、体の中心であるお腹が冷えている方は、体全部が冷えている、と診るんですね。胃の調子が悪い方はみぞおちが冷たいですし、生理痛や、子宮、卵巣などにお悩みがある方は下腹部が冷たいです。膀胱炎になりやすいという方も、やはりお腹が冷たい。特に女性は、おへそのあたりで線を引いたとしたら、上は温かいのに下は冷たい、という方が沢山らっしゃいます。腰痛でお悩みの方は腰のあたりが冷たい。とにかく、触ってみて冷えている場所に不調が起こっています。それはやはり血流が悪いから、臓器の不調が起きているんですね。例えばお肌もそうです。もちろん、クリームなどを外から塗る、というケアも良いとは思うのですが、大切なのは中からのケア。血流が悪いといくら外からいろいろな成分を届けようとしても、内側からの栄養が行きわたらないという状態になってしまいます。
血の巡りには、冷えは大敵。温めていきましょう!
年齢と共に、血管の形自体はあるのですが血液が通っていない「ゴースト血管」というのが増えてきまして、血管が運んでいた様々なものが行き渡らなくなります。これが「冷え」が解決しない理由のひとつ。
そうするとお肌にも栄養が行きわたらなくなり、ターンオーバーなどにも影響がでてきて、くすみやシミ、しわや乾燥などの原因にもなってきます。髪も同じで、毛根の細胞にまで栄養が行き渡るからちゃんと生えてくる。美容にも臓器の健康にも、コリや痛みへの対策にも認知症予防にも、結局、血流をよくするのが大切。漢方では「気」「血」「水」 という考えがありまして、この3つがちゃんと巡っているのが健康という状態と考えます。気は気持ちや気力など精神的な部分、血は血液、水は血液以外の水分。血が巡らなくなると冷えにつながり、冷えはメンタルにも影響してきます。
冷えはダイエットにも悪影響
体温が 1℃違うと基礎代謝も約 13%違うと言われていますので、同じような食生活をしていても、体温の低い方のほうが代謝は悪くなります。イコール太りやすい、むくみやすい、という考え方になります。血糖値やコレステロール値などにも関係していますね。代謝が下がっていると、そんなに暴飲暴食はしていないのに、コレステロール値が高い方や、糖尿病や高脂血症、高血圧などでお悩みの方は、冷えから来ている方たちも多いですね。
風邪をひきにくい方は温活上手?
また、免疫力も体温が1℃違うだけで、30%くらい違ってくると言われていますので、低体温の方は風邪をひきやすいとか、一度なってしまうと風邪が治りにくいとか、そういうこともあります。冷えは万病のもと、という言葉があるように、このようにデメリットしかありません。温めることにはメリットがいっぱいありますよ。
1つ目は、運動。
皆さんの「分かってはいるけれどね~」という声が聞こえてきそうですが、やっぱり、まずは運動です!
人間の体温の約 40%は筋肉が作ってくれると言われています。スポーツジムに通ってください、とは言いません。家の周りなどでウォーキングを 1 日 20~30 分。お家の中でスクワットを 10 回×3 セットくらいから始めてみるのはいかがでしょう?
「片足立ち」もおすすめですよ!左右 1 分ずつ、片足で立ってみる。すると筋肉がプルプルしてきますし、骨にも負荷がかかるので、おすすめです。一本足で立つのが難しい方は、壁などの近くや、いざというときに転ばないような安全な場所でおこなってください。年齢ともに筋力、体力落ちてきますが、更年期を抜ければ楽しい黄金期が待っています!残りの人生を元気に過ごすためには足腰が重要です。ムリなく出来る事から頑張ってみてくださいね。
2つ目は、湯舟につかること。
シャワーだけではなく、ぜひ湯舟につかってください。長時間である必要はありません。40℃や41℃くらいの温度で肩まで 10 分くらい入ると汗がプツプツでてきます。このプツプツと出るくらいの状態で OK です!体温が約1℃くらい上がっている状態なので、1 日 1 汗かいて、1 日1回は体温を上げて、この時に免疫力を上げた!これが大切です。
お風呂はメリットがいっぱい。熱めのお湯につかったりすると、体の中にヒートショックプロテインというものが出来るのですが、これには健康維持や美容に良い効果がいっぱいあります。今は「お風呂キャンセル」というのが若い方の間で流行っていると聞きますが、お風呂はキャンセルしないでください(笑)。家事などが忙しくて、という方は、家事の方をキャンセルしてでも、お風呂には入ってほしいです。夜もゆっくり眠れますし、リラックスもできますし、体にもお肌にも良いことがいっぱいです。心臓などへの負担が気になる方は、肩までではなく、みぞおちくらいまでの半身浴でも良いと思います。
3つ目は、腹巻!
私も今つけていますが、(先生が「ほら、私も今つけていますよ!」と見せてくれました。)
腹巻、レッグウォーマー、モコモコの靴下!とにかく冷やさない事が大事です。夏は、外は暑いですが室内は寒いですよね。ビルの中、電車の中などはクーラーがついていて体が冷えやすいので、屋内に居る時間が多い方は、クーラーはつけて良いので冷やさない服装を心がけてください。最初にお伝えしましたが、健康は全て血流から。冷えると内蔵の血流が悪くなるので良くありません。屋外は暑いので薄着になる、クーラーで冷える、冷たいものを食べる。このトリプルでお腹が冷えます。ですので、夏の方が胃もたれしやすい方や生理痛もひどくなるという方も多いですね。現代人の夏バテは、冷えていて不調の「冷えバテ」。昨今の猛暑の中ではクーラーなしの生活は無理なので、つけていても良いので体を冷やさないように腹巻などを取り入れてみてください。
4 つ目は食事!
いつものお食事やお飲み物に、生姜や薬味、スパイスなどを活用してみてください。白湯を飲む習慣のある方は、ぜひ生姜を足して「ちょい足し白湯」で飲んでみてください。紅茶などにもシナモンや生姜を足したり、お食事にはネギ、にんにくなどの薬味を入れると、それだけでプラスアルファで温まるものになるのでぜひ活用してください。
未病を意識することの大切さ
健康と病気の間に「未病」という段階があります。なんだか頭が痛いとか、手足が冷えるとか。気になるちょっとした不調を抱えている方は多いと思います。しかし、病院に行っても、別に病気ではないですよ、と言われてしまったり。そんな「未病」の状態に気が付いていない方が多いです。冷えによるちょっとした不調がある方には、自分が「未病」であることに気が付いていただいて、さきほどの 4 つの温活習慣を取り入れてみてください。気が付いた時には、そういえば最近調子が良いかも?むくみが減ってきたかも?冷えが改善してきたかも?と、きっと感じて頂けると思います。続けてみてくださいね。
温活とも深~いつながりが?腸内環境の大切さとは?
腸は最大の免疫器官と言われています。人間の体の中には小腸だけでも約 6~7 メートルの長さが入っています。大腸は 1.5 メートル。全部で 8~9 メートルがお腹の中にある、とても長い器官です。その腸の壁に免疫細胞がいるのですが、これは全身の免疫細胞の 7 割を占めています。
体の中と外をつなぐ、腸の重要な役割
腸はお腹の中のもの、という認識が皆さんにはあると思うのですが、口から肛門まで、1 本のトンネルのような状態でつながっているものなので、「外」なんです。腸は、ウイルスや、ばい菌など、体に良くないものが外から血液の中に入ってこないように守ってくれる役割をしています。お腹を冷やしてしまうと腸に良くないですよね。腸の状態や働きが悪くなる結果、免疫や代謝が落ちてしまいます。
ストレスと腸は相関関係
私たちの体を作っている細胞は、酵素で反応します。酵素が働く温度は 37℃くらいですので、お腹の中の温度は 37℃あって欲しいですね。そうすると、わきの下で体温を測った時には最低は 36℃欲しいです。
腸内には善玉菌 2 割、悪玉菌 1 割、あとは日和見菌というのがいまして、日和見菌はなんと 7 割を占めています。しかも、日和見菌は強い方につきますので、善玉菌が増えていれば善玉菌へ。悪玉菌が増えれば悪玉菌になりますので、善玉菌を増やしていく、取り続けていくのが大切。乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌、酢酸菌など、様々な善玉菌を増やすのが大事です。善玉菌が増えると免疫のバランスが整います。
善玉菌はダイエットにも代謝にも良いことがいっぱい
最近耳にする方も多いかもしれませんが「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」というものがありまして、善玉菌の発酵によって生まれるものです。この短鎖脂肪酸が出来ると、内臓脂肪がつくのを抑えてくれたりします。よく「痩せ菌」とか「デブ菌」とかそういう言葉を聞く事もありますが、この短鎖脂肪酸を作る善玉菌が「痩せ菌」という立ち位置になるのかなと思います。とにかく、腸内環境を整える事、善玉菌を取り入れること、続けることにより、免疫アップ、代謝アップ、ダイエットやストレス対策など、良いことがいっぱいあります。
最後に。。。
血流、冷え、温活、腸活。美容、健康維持、ストレス対策。すべてはつながっているのですね。
暮らしの中で出来る事から取り入れて、健康だからこその美しさを目指し、いきいきと楽しい毎日を目指しましょう。
石原先生、今回はありがとうございました。
※専門家の見解であり効果を保証するものではありません
※QVCジャパンがインタビューした内容をまとめたコラムです
#冷え #温活 #腸活 #ダイエット #善玉菌