肌荒れからお肌を守るためには、汚れを落とすための「洗顔」が何よりも欠かせません。
顔を洗うことでお肌の汚れを落とし、お肌を清潔に保つことでニキビやあせもによる肌荒れを防ぐことができるようになります。しかし、皆さんは"正しい洗顔方法"を知っていますか?
今、この記事を読んでいる方の中には、「朝晩一回ずつ洗顔料を使って顔を洗っている」という方もいれば、「一日に何回も顔を洗っている」という方もいるかと思います。
また、洗顔時に熱めのお湯を使っている方もいれば、冷水で洗ってしまっている方もいるかと思います。
このように、普段の洗顔方法はご家庭・個人によって異なるので、実際は正しい洗顔ができておらず、肌荒れ予防になっていないことがあります。そこで本記事では、肌荒れ予防の効果が高い"正しい洗顔方法"について解説します。
肌荒れ予防の第一歩は洗顔から!洗顔が大切な理由とは?
肌荒れといえど、色々な種類があります。その中でも洗顔で防げる可能性が高いのがニキビとあせもです。
ニキビやあせもができて肌が荒れてしまう原因
洗顔の大切さを理解するには、まず「なぜニキビとあせもができてしまうのか」を正しく理解することが大切。ここでは、それぞれの原因を解説します。
ニキビの原因【メイク汚れ・皮脂など】
ニキビの原因は、極端にいえば「毛穴が詰まってしまうこと」です。毛穴が詰まり、その内部でアクネ菌が増殖することで炎症を引き起こし、症状が深刻化していきます。
この時、毛穴を詰まらせる物質は、それぞれの肌質・生活習慣・環境によって異なります。例えば、メイクをしたまま長時間放置していた場合は、メイク汚れが詰まりの原因ですし、皮脂が多い人や、夏場などは皮脂と古い角質が混ざったものが毛穴詰まりの原因となります。
あせもの原因【汗】
ニキビの原因がメイク汚れや皮脂などに対し、あせもの原因は汗です。
汗腺(汗を分泌する場所)に、汗がたまることであせもは発症します。あせもは通常、通気性が悪く汗をかきやすい場所にできます。
そのため、膝の裏やベルトなどを締めている部分、下着が当たる場所にできやすいですが、発熱するとできる場合もあります。
洗顔をすることでお肌を清潔に保つことが可能に
肌荒れの1種であるニキビやあせもは、お肌についたメイク汚れや過剰な皮脂、汗、ホコリなどが原因です。
しかし、洗顔を通して汚れや汗、皮脂などを落とすことができれば、毛穴や汗腺が詰まるのを防ぐことができるので、ニキビやあせも予防になります。
お肌の洗浄を行う「洗顔」はニキビやあせもによる肌荒れの予防に欠かせない習慣となっています。
関連記事>>ニキビやあせもだけじゃない肌荒れの種類と対処法・予防法を徹底解説
ニキビ・あせもによる肌荒れを防ぐ正しい洗顔方法
肌荒れを予防するために洗顔は非常に重要ですが、正しい方法でなければあまり効果がなかったり、逆に肌荒れを促したりしてしまいます。
洗顔の回数とタイミング
まず、洗顔の回数ですが、多くても洗顔は一日二回までとしましょう。過剰に洗顔を行うと、お肌に必要な皮脂までも失われてしまうので、清潔さを保つために何度も洗顔をするのは控えましょう。また、洗顔のタイミングは朝のメイク前と夜のクレンジング後に行うのが理想的です。
朝は寝ている間に付着した汚れや汗、夜はメイクや皮脂などを落としていきます。
正しい洗顔方法の流れ
ここからは、正しい洗顔の流れを解説します。
今日から実践できることばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。
手を洗う
洗顔の前に、まず手を洗いましょう。
手には見えない菌が付着しているため、そのまま洗顔すると、顔に雑菌を広げてしまう可能性があります。
手を洗うことで清潔な状態で顔を洗えるだけでなく、洗顔料の泡立ちもよくなり、肌への刺激も減らせます。
ぬるま湯で顔を濡らす
肌に刺激を与えない33~35℃のぬるま湯で、顔の全体を濡らします。
こうすることで、洗顔料に含まれる界面活性剤が肌に付着するのを防げます。
界面活性剤は、メイクを落とすために配合されている成分ですが、肌に残留すると乾燥の原因となるため、付着させないことが大切です。
洗顔料を手に取ってたっぷりと泡立てる
洗顔料を手に取り、できる限り細かく泡立てましょう。
たっぷりとした泡で洗顔することで、汚れが落ちやすくなるほか、肌への刺激も抑えられます。
手で泡立てるのが難しい場合は、泡立てネットが便利です。
泡を転がすように洗う
洗顔料をよく泡立てたら、泡を顔の上に転がすようにして洗います。
指で直接肌を擦ることはせず、常に手と顔のあいだに泡がある状態を意識すると良いでしょう。
皮脂が分泌されやすいTゾーンや小鼻の周辺は丁寧に洗う必要がありますが、反対に、目元や口元などの乾燥しやすい部分は軽く洗浄するだけで十分です。
Tゾーン・あご・Uゾーンの順で洗う
Tゾーンのあとにあご、最後にUゾーンの順で顔を洗いましょう。
まずは、特に皮脂が多く分泌される、額や鼻筋を含むTゾーンから。
次に、2番目に皮脂の多いあごを、そして最後に乾燥しやすいUゾーンを洗うと、乾燥する部分の洗いすぎを防げます。
ぬるま湯ですすぐ
すすぎの際にも、肌への負担が少ないぬるま湯を使用します。
ポイントは、手の中にお湯を溜めてから、顔に優しく付けるように洗うことです。
ゴシゴシと擦ったり、シャワーから出るお湯を直接顔に浴びせたりすると、肌に負担がかかってしまいます。
髪の生え際やフェイスライン、そしてあごの下などはすすぎ残しが起きやすい部分なので、注意して洗い流しましょう。
清潔なタオルで顔を拭く
すすぎが終わったら、タオルで軽く押さえるように顔を拭います。
雑菌の付着したタオルでは、これまでの洗顔が台なしになってしまうので、必ず清潔なものを使用してください。
素早くスキンケアする
洗顔後は肌が乾燥しやすくなっているため、できる限り手早くスキンケアしましょう。
化粧品や乳液は、手の温度で少し温めてから使用すると、より浸透度が高まります。
洗顔時の注意点
シャワーを顔に当てない
顔を濡らしたり、洗顔料をすすいだりするときは、シャワーを顔に直接当ててすすがないようにしましょう。シャワーの水圧はどうしても強くなってしまうので、お肌への強い刺激となってしまいます。
多少面倒かもしれませんが、必ずぬるま湯を手にとってすすいだり、顔を濡らしたりするようにしましょう。
洗顔に時間をかけすぎない
お肌の汚れを落とすため、ついつい洗顔に時間をかけてしまいがちですが、時間をかけすぎるのはよくありません。
長い時間洗顔料が顔についていると、お肌に必要な皮脂が失われてしまい乾燥肌になってしまうので、適度な時間で終わらせるようにしましょう。
お肌をゴシゴシと擦らない
顔を洗うときも、水気をタオルで拭うときも、ゴシゴシとこするのは厳禁です。ゴシゴシと擦ってしまうことで、お肌への刺激となってしまい、荒れる元となってしまいます。
関連記事>>急にできてしまった肌荒れ、その原因とは?
洗顔料の種類
洗顔で重要な洗顔料には様々なタイプがあります。それぞれに魅力があるので、簡単に特徴をご紹介します。
クリームタイプ
数多ある洗顔料の中でも、最も多いタイプです。チューブ型のクリーム状になっていて、水分を足していって泡立てていきます。うまく泡立てられない場合は、泡立てネットを使うのがおすすめです。
泡タイプ
ポンプ式になっており、プッシュするだけで泡の状態で出てきます。洗顔料を泡立てる必要がないので、時間がない朝や泡立てするのが面倒な時にぴったりです。
固形タイプ
洗顔料の中には、固形石鹸タイプのものもあります。固形の洗顔料は他の洗顔料に比べて長く使用することができるので、コスパが良いという魅力があります。もちろん、洗浄力が落ちるということもありません。
ジェルタイプ
ジェル状になっている洗顔料で、クリームタイプと同じくチューブ型で販売されていることが多いです。泡立てるタイプのものもありますが、中には泡立てずにジェルを伸ばしていくタイプの商品もあります。
ミルクタイプ
とろっとしたミルク状の洗顔料です。水分が多めで伸びがよく、泡立ちも比較的楽にできますが、他のタイプに比べると、商品のバリエーション数が少ない傾向にあります。
パウダータイプ
最近よく見るタイプの洗顔料です。パウダー状になっており、泡立ちネットを使って泡立てていきます。きめ細かい泡が作れる他、酵素が含まれている商品もあります。
洗顔料の選び方
ドラッグストアに行くと、多くの種類の洗顔料が並んでいて、どれを買えば良いのか迷いますよね。
ここからは、洗顔料の選び方を基準ごとに紹介しますので、参考にしてみてください。
ニキビ肌向け
薬用洗顔料のなかには、ニキビの予防を目的にした商品が数多くあります。
繰り返しできるニキビにお困りの方は、ニキビ肌向けの薬用洗顔料を使ってみましょう。
ニキビ肌向けの薬用洗顔料には、主にニキビの原因となる「アクネ菌」や「毛穴のつまり」にアプローチできる成分が配合されています。
商品に「ノンコメドジェニックテスト済み」と書かれているかどうかも、ニキビ肌向けの薬用洗顔料を選ぶ際に役立つ基準の1つです。
この表記は、コメド(ニキビのもと)が発生しにくいことを確認しているため、効果が期待できます。
なお、ニキビには思春期ニキビと大人ニキビの2種類があり、種類によってニキビケアのポイントが変わります。
次で詳しく解説するので、ご自身のお悩みに該当するほうをチェックしてみてください。
思春期ニキビ
思春期ニキビは、皮脂の分泌が活発な10代にできるニキビのことで、額や鼻の周辺に生じることが特徴です。
思春期ニキビを予防するには、抗炎症成分や殺菌成分が配合された薬用洗顔料が適しています。
抗炎症成分としては、グリチルリチン酸2Kやアラントイン、殺菌成分としてはサリチル酸やイソプロピルメチルフェノールなどが挙げられます。
洗顔料を購入する際には、薬用かどうか、そして、これらの成分が含まれているかどうかを成分表で確認してみましょう。
ただし、そうした成分は肌への刺激が強いので、使用は週2回程度に留めましょう。
大人ニキビ
大人ニキビは、20代以降にできるニキビのことです。
原因は一概には言えませんが、睡眠不足や生活リズムの乱れ、またホルモンバランスをはじめとする体質によって生じるとされています。
このような原因を化粧品で防ぐことはできないため、まずは生活習慣を見直し、それでもニキビが改善されない場合は皮膚科を受診しましょう。
抗炎症・殺菌
顔の赤みやかゆみ、吹き出物などが気になっている方には、抗炎症・殺菌成分が含まれた薬用洗顔料での対策が有効です。
パッケージの裏に、以下の表にある成分が表示されていれば、抗炎症・殺菌効果が期待できます。
抗炎症・殺菌成分の例
抗炎症成分 | 殺菌成分 |
グリチルリチン酸2K | サリチル酸 |
アラントイン | イソプロピルメチルフェノール |
グリチルリチン酸ジカリウム | ベンザルコニウム塩化物 |
保湿成分
肌のつっぱりや粉吹きをケアしたい方は、保湿成分が配合されているかどうかを基準に洗顔料を選びましょう。
代表的な保湿成分は、以下のとおりです。
保湿成分の例
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- アミノ酸
- スクワラン
- セラミド
- グリセリン
保湿力を重視して洗顔料を選ぶ際は、こうした成分に着目してみてください。
香り
好みの香りの洗顔料を使えば、朝の支度時やバスタイムの癒しになります。
香りごとに、朝用と夜用の洗顔料を使い分けてもよいでしょう。
たとえば、寝起きの洗顔にはグレープフルーツ、就寝前にはラベンダーやベルガモットというように香りを使い分けることで、シーンに合った効果を得られます。
洗顔料は使い分けるのがベスト
どんな洗顔料を使うか迷った場合は朝と夜、使い分けるのがベストです。
朝はメイクや支度などもあるので、時間がないことがほとんど。ですので、泡タイプや泡立てないジェルタイプのものですと、時短になります。
また、寝ている間についたホコリや皮脂を落とすだけなので、そこまで洗浄力が高いものは必要ありません。
反対に夜は、メイクや一日の汚れを落とすことになるので、比較的洗浄力が高いものがおすすめです。
また、朝に比べるとしっかり時間が取れることが多いので、泡立てるタイプのものでも問題ないでしょう。
まとめ:正しい洗顔でニキビやあせもによる肌荒れを防ぐ
洗顔とは、顔のホコリや汚れを落とすための習慣ですので、メイクや汗、皮脂など汚れが原因で発生してしまう「ニキビ」や「あせも」といった肌荒れを防ぐことができます。
ただ、洗顔は正しい方法でないと意味がありません。洗顔は以下の流れに沿って行いましょう。
1 ぬるま湯で顔を濡らす
2 洗顔料を手にとって泡立てる
3 Tゾーン・あご・Uゾーンの順で洗う
4 ぬるま湯ですすぐ
5 また、一日に何回も洗顔をするのは逆効果です。洗顔は朝晩の二回だけにとどめておきましょう。
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