Chiho Sakumi
IT Director, JP Technology Leader
中途採用 入社5年 

外資系でキャリアスタート

私のキャリアは、日本で事業をスタートしたばかりの外資系の生命保険会社に新卒で入社したところから始まりました。私はバリバリの文系で英文科卒ですが、たまたまシステム部門に配属されました。パソコンが得意だったわけでもシステム部門を希望していたわけでもなく、外資系企業を選んだのは、単に英語を使える仕事に就きたかったからです。入社時の面接では、コンピューターの経験はありますか?という質問に対し、「ブラインドタッチはできますが、それだけです。」と正直に答えたところ、なぜかそれが気に入られたようです。ただ、英語力は決め手の一つだったと思います。コンピュータールームとシステムの立ち上げから運用まで、アメリカ本社からスタッフが数十人来日して一年以上駐在して対応していたような会社でしたので、英語の需要は非常に高かったと思います。

IT黎明期からITひとすじ

今では想像できないかもしれませんが、30年ほど前パソコンはほぼ普及しておらず、会社の中で部門ごとに1,2台しかないような高嶺の花でした。ちょうど「オフィスオートメーション、OA」という言葉が出てきた時代で、クライアントコンピューターでのデータ処理が始まった黎明期でした。そんな中、社内でオフィスオートメーション推進委員が発足され、私はパソコンやワードプロセッサー、表計算ソフトの使い方を社員に教えるトレーナーズトレーナーを担当しました。それ以来一貫してシステム部門に所属し、新しいシステムやサーバールームの立ち上げ、さらには組織を作る、という業務をメインに担当し、その後外資系の会社をいくつか転職してキャリアを積んできました。
QVCジャパンほど大きな会社で、また、日本国内で多くのエンジニアを抱えるIT組織で働くことは初めてでしたので、QVCジャパンに入社してすぐに、これからは振る舞い方や考え方をかなり変えないと、この大所帯をまとめリードすることはできないなと考えました。私は経営をするためのリーダーとして知識や経験は持っているけれども、エンジニアのバッググラウンドはなく、技術的にわからないことはたくさんあります。そのため二つのことを心掛けました。一つは「口だけコンサルタント」にならないようにすること。もう一つは、スキルを持つエンジニアのチームメンバーたちに、わからないことを正直に伝え、「助けてください」とはっきり意思表示すること。この二つを心掛けることで、QVCジャパンで今までやってくることができたと感じています。

キャリアを考えるときは自分への問い掛けが大事

どの分野でも言えることですが、自分にとってキャリアとは何か?成功とは何か?を考えることが大切です。他人と比較してではなく、自身のキャリアを描いたとき、どんな道があるか?という問いかけをしてみること。「自分らしく働く」ことが出来るのは、どんな分野なのか?これを早めに決めると、自分にチャンスが来た時にそのチャンスに気付くことができ、波に乗ることができると思います。自分がどんなことに興味があって、何が好きなのか、何が得意なのか、何が続けられるのか、自分自身でよく探ってみることをお勧めします。ご存知のように、テクノロジーの変化はとても早く、柔軟に考えたり変化に対応したりする適応力、レジリエンス(resilience)を築くことが大切だと感じています。そのためにも自分への問いかけは必要不可欠だと思います。私はIT用語とビジネス用語の間のトランスレーターとしてのポジショニングを割と早い時期に自分の役割として理解し、30年以上それを担ってきました。現在はカスタマーフォーカスデザインという言葉がよく聞かれますが、それはお悩み解決、つまりトラブルシューティングです。誰が何に困っていて、何を解決したいと思っているのかを探り、どう解決するのか、というのがデザイン思考です。ITやシステムは難しいとか思わずに、自分の言葉に翻訳すればいいのです。こうだと決めつけてしまわないで、ちょっと頭を柔らかくして何か取っ掛かりを掴んだらいいかなと思います。自分に合っている、いいものが見つかると思います。それが営業であれ、マーケティングであれ人事であれ、あなたにしか担えない役割がきっとあると思います。だから、Everybody Welcome!